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2025/04/02 05:08

【尾錠制作】


Axiom制作にあたって、
最後にして最大の難関であった
『尾錠』についてお話します。

Axiomシリーズの尾錠(バックル)には
当店オリジナル・プロダクトである
Honest(オネスト)』が採用されています。


Honestはジュエリーデザイナー/職人である
LONESOME.代表の戸田誠氏が監修・製作し
当店でのみ取り扱う特別な尾錠です。

戸田氏の均整の取れたブレない作品群は
いち個人としての立ち位置を超え、
モノ作りとして驚くべき完成度に達しています。


Honestの名は戸田氏の誠実なモノ作りと
その人柄を冠して命名したものです。

尾錠は負荷がかかる部分ですので、
耐久性を確保し製品化する必要があります。
金属の特性と用途による耐久の違い、
デザインがもたらす限界強度など、
複数の要素を見定めてこの形状に
落とし込んで頂いています。

Honest最大の特徴は大きなうねりを
伴いながら表現される稜線(りょうせん)。
稜線とは山脈の頂点同士を結ぶ線のことですが、
デザインでは『面と面が交わる境界線』
を指します。


この稜線をいかに美しく表現するかが
尾錠を制作する上での要であり、
既存の形状を踏襲するのであれば
トライすることもありませんでした。

既成品の尾錠ではどうしても納得いく
デザインがなかったため、
『ここまで来たら自分たちでやろう』
ということでやりきった形となります。

稜線は1930年代のアールデコデザインと
1950年代のミッド・モダンを取り入れ、
『古典的だが、どの時代感でもない』
一種のパラドックスを内在させています。


正面から見ると随分とショートに
設計された尾錠であることが分かります。
同時に大きくくびれた外郭の
『エッジ』に目がいきます。


このシャープなシルエットはキャスト製法
(溶かした金属を金型に流し込む方法)
では再現することができません。

Honestはシルエットの”エッジ出し”を
戸田氏本人の手で行っています。
その証拠に鈍く輝くボディ表面には
鑢を当てたヘアラインが入ります。


そして強烈に弧を描くサイドシルエット。
Honest最大の魅力の一つでしょう。



猛禽類の鉤爪(かぎづめ)を彷彿とさせる
力強いうねりと鋭さが収束するさまを
多面的なカットで表現しています。

このカーブはデザインだけでなく、
ベルトの革に当たる部分の負荷を
面で分散することで軽減させる
機能的な役割も果たしています。


カラーは
・ジャーマンシルバー(洋白)
・ブラスゴールド(真鍮)
の2色展開。


敢えて表面にメッキをかけない
『素地仕上げ』としており、
経年変化による変色を楽しむことに
重きを置いています。
これはLONESOME.で展開される
装身具とコンセプトを共有しており、
ベルト部分と共に尾錠が育っていく
さまを楽しんで頂けたらと思います。
※金属本来の酸化被膜を活かした
作りで錆びにくい点も魅力です。

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当店でしかできないこと、
当店でこそ出来ることを形にした
『Honest(オネスト)』。

尾錠を含めストラップ制作の
全工程を日本国内で完結できたことは
『まだ日本のモノづくりはやれる』
と自信と希望を持てた瞬間でした。

当面はAxiom(アクシオム)専用の
尾錠としてセット販売されますが、
今後は尾錠単体での販売も予定しています。

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